Ikitekoso~tokubetsuban~: Difference between revisions

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俺だけはお前を愛してやるぞ!」
俺だけはお前を愛してやるぞ!」


                   天の庭にて 赤い背中の男曰く</pre>}}
==== Japanese (Unofficial) ====
{{hide text|<pre>─前編─
千変し 万化し 枯れてなお
ちぎれちぎれもたかだかと
その川聊かの瑕瑾なく
すりすり すりすり
すりすりと擦れ合ふ
すりすり すりすり
枯れてなお 枯れてなお
この川の どこへ行く
いづくより 生れて いづこ
ねんねこに沈み 弾け飛び ぴゅっぴゅっぴゅ
蝉のような鼻をしたおかあさん
「このひとでなし!」
蝉のような口をしたおじいさん
「あいや おかしな なあ」
蝉のような耳をしたおばあさん
「わあ ちんちくりん!」
蝉のような顔をしたおとうさん(代表者でもある)
「あいや みにくいもの」
遮るもの無き名月 はんなり
立派なおべべに赤帯垂らして
恥らうことなく山から川へと
ころころ 転んで
みんみんの声 届けてくれたのさ
ぴょんぴょん跳んではそうぞうしい(後ろ前である!)が
ぴんとひらめいた かしこい彼は言う
「大きな声ではいえないけれど
小さな声では聞こえませんの!あっはっは!」
その素敵な会合を 木の上より俯瞰する
蝉のような鼻をしたおかあさん
「あのひとでなし!」
その素敵な会合を 木の上より俯瞰する
蝉のような口をしたおじいさん
「あいや 不潔な なあ」
その素敵な会合を 木の上より俯瞰する
蝉のような耳をしたおばあさん
「うそつきぼうや!」
その素敵な会合を 木の上より俯瞰する
蝉のような顔をしたおとうさん(代表者でもあるのだ)
「あいや あな おそろしや」
こうして毎日
呼吸も忘れて身とも影ともつかずが重畳
そこから わんさと 子を積む 山車出て
厳粛に おごそかに 真っ赤な橋脚 垂直に
赤色の肌をちらりとみせる 立派な髪をもつ聖人
「いいかい諸君よ わたしは高きを恐れず進み
汚いものを無くそうと思うのだが
どうか!」
玉の緒溜まり 鳴き響もす
どこからか不愉快な音が聞こえる
前から後ろから聞こえる
***
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
「おめでとう」
天と地の和解の証なのだろう
そう思いたい
そういいくんのかわ!
かはいや!?
遮るもの無き少年 ころころ
立派なおべべに赤帯垂らして
恥らうことなく 袖から袖へと
ころころ ころころ ころころ ころころ
ころころ ころころ ころころ ころころ
後ろ前だが かしこい聖人が言う
「大きな声ではいえないけれど
小さな声では聞こえませんな!」
「ちがいないちがいない!
  ふっふっふっふ!」
子を棄つる藪は在れど 身を捨つる藪は無し
─そうこうしているうちにも─
月蝕は刻々とすすんでいる
夜蝉が鳴いている
死にたくはなしと鳴き叫んでいる
屍には落葉が積もり
川となり 海となる
すべては千変し 万化し
その輪郭をぼかしながら
天高く透く一片の雲に過ぎず
(ああ だが生きてこそ)
呪われた 鬼の子供と呼ばれ
篝火の影絵となりて
それでも
諸手かざして
蒼天の縷々を綴る
望まれずに生まれて
愛を知らず枯れていく
ああ 愛を
誰か彼に愛を
枯れてなお
いろいろなものに接吻をしながら
赤い背中をした彼は言う
「言われていたのだ! 言われていたのだ! 言われていたのだ!」
彼はそ呪わそうを子あり!
─実際─
有う 雨は使徒 と 失笑の 夫競うとを
とう馬鹿っと 口る総裁!
飲酒ともしく死守しててしょうとくしらしんね!
縦令意味は 無意味で無くるくるで鰤珍で落ちる!
くわぎゃ 瞋怒こを 撓死ね や!
─かなしいことだ─
あたしだって
「知徳と恨みにもう蔵半力(がんりき)」
人々のださいって ううーんなんですこう?
「昼思考た殺殺無心性(芹性)」
真実を知り ひどく驚いた役者たち
「あわおぉ〜う! ぎゃあ! ぎゃふん! ぴゅっぴゅ!」
侮しいっ
「見っつれにいとうしう、生まれて 認識
 我々の歌 をたきてしょくざに ちょうする」
途中で諦める方がよっぼどださいじゃん
「皆の配(くば)わ 愚の構想
 いるの自他う この差き 早々の」
そはにひとしき
そばにひとしき
獄時に星機見空
鳥 誰は 斎 愛 人 の 神
「毒素の如くの 向けの素性」
あときて
「的然として日の下」
─的然として日の下─
目を開く ひと
しんがりで吊る ひと
正覚とすがる ひと
我執に喰われ 枯れていく 其のひと
鳥から男
「獣々(しゅ しゅ)むぎ置く」
王子の王女
「織るめが上をきおい」(「織るめがい上を」)
天使たちが祈って歌った
「あ〜 ああ〜 ああ〜ん ああーん〜」
人 続ける 言「すきすき だいすき!!!」
「まさに真理てるそ」
気がつくと誰もいない
あれほどの騒ぎが嘘のようだ
ただ
夜空の中心で凍りつく
透明な川の 純朴なせせらぎだけが聞こえる
千変し 万化し 枯れてなお
ちぎれちぎれもたかだかと
その川聊かの瑕瑾なく
すりすり すりすりと擦れ合ふ
枯れてなお 枯れてなお
そこに何の意味があろうか
もうここには誰もいない
                     天の庭 樹のひと曰く
─後編 本編─
おぼろげに朧の橋を渡っていると
宙を呼ぶ声が聞こえる
受戒せんと数多の落葉たちの
「宿報である」と言う叫びだ
その声は次第に験仏の代弁として
眼下 月光あまねし大河を ひた流れる現未と結び
灼熱の虹へと姿を変えていく
「いずくより ああ 生れて いずこ」
─天の庭へ─
天つ日の不請の清く
彼のひとの間をする抜ける
あまりにも まぶしすぎてめ ああ
誰も 気がつくことは無い
─かなしいことだ─
暗澹たる中天を跨ぐ灼熱の梯子に
群がる落葉たちが口々に叫んでいる
─ほんとうに─
「枯れ    ! 朽ち     !」
─おそろしいことだ─
「ここは寒い ここは熱い」
─ほんとうに─
「腸が凍る!腸が燃える!」
─なにくそ こなくそ─
呪われた鬼子供は澱み
日輪の大つぶに揺れながら
流れ木の鎖りをれかへる
塞きる六識の縷々と綴り
─心手とわ どち宅なしと 満たし いいか─
今日も生きてこそ
明日も生きてこそ
枯れてなお
影の地につきささる
灼熱のたばしり朽ちてなお
ぐわんぜさま
「心手とわ どち宅なしと 満たし いいか 小さなものも 大きなものも 皆 必ず 救われない 絶望的だ」
らある熏ゆこう
群れこうちの歌
くらもせいじ
「空気の知恵」
黒も惨事
「獄約れい」
あるく ゆ事 むま また地歩く
超一  結構 裏父 すつるて
字ある蝶時期こうら遅々綴らて
─今日もまた 生きてこそ─
この川の どこへ行く
はずらる! らららららららららら!
いづくより 生れて いづこ
全ぶく直 心境
生きてこそ
「そうだ そうだ!
俺はお前を愛してやるぞ!
俺だけはお前を愛してやるぞ!」


                   天の庭にて 赤い背中の男曰く</pre>}}
                   天の庭にて 赤い背中の男曰く</pre>}}