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yurari nobori ame | yurari nobori ame | ||
michiyuki no hodo no akari ka | michiyuki no hodo no akari ka hotaru tobu | ||
fuangena kao shite | fuangena kao shite | ||
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=== Long Version === | === Long Version === | ||
==== Japanese ==== | ==== Japanese ==== | ||
{{hide text|<pre>―前提として― | |||
こんなとき | |||
僕はあまり器用な人間ではないので | |||
何も言うことが出来ない | |||
僕はあまり器用な人間ではないので | |||
何もすることが出来ない | |||
しあわせになる方法など わかるはずがない | |||
僕には何の力も 知恵も ないからである | |||
今日も外は雨だ | |||
もちろん 気の利いた | |||
素敵で洒落た傘など持ってはいない | |||
ところどころ 小さな穴のあいた | |||
傘のようなかたちをしたものなら持っているけれど | |||
せめて 僕なりの 精一杯の器用として | |||
それは誰かに 大切なひとたちにあげることにしている | |||
おそらくこれは 時として | |||
いんちきな感情の類なのであろうが | |||
器用というと 僕にはこれくらいしか思い浮かばない | |||
そんな理由で | |||
僕はいつもずぶぬれだ | |||
ずぶぬれ どろだらけ | |||
穴のあいた | |||
傘のようなかたちをしたものをもらったひとも | |||
めいわくなのかな とは思う | |||
ありがためいわく というやつだ | |||
結局 みんな | |||
ずぶぬれ どろだらけ | |||
わらえるだろう | |||
とんだわらい話だ | |||
でも | |||
そんな姿を見て | |||
愛したひとが泣いた | |||
愛してくれたひとが泣いていた | |||
僕はあまり器用な人間ではないので | |||
何も言うことが出来なかったし | |||
僕はあまり器用な人間ではないので | |||
何もすることが出来なかった | |||
このように | |||
いつでも なにひとつ 思い通りにはいかないのだが | |||
それでも いつでも | |||
器用な人間ではないなりに | |||
真に 本当に | |||
心の底からこう思い 願っている | |||
明日は 晴れると良いな | |||
今日も雨だ | |||
雨 のち 雨 | |||
ごくろうさま | |||
「これで おしまい」 | |||
そっとしまう | |||
浅く 深追いの指 | |||
轍歩く | |||
叢雲踏むが如く | |||
静かに | |||
音も立てず | |||
見慣れた端の明かりの跳んで | |||
顔染め上げ | |||
音響きもたてず崩れてしまう | |||
この瓦礫の先には | |||
何かあるのかな | |||
何があるのかな | |||
誰か 教えておくれよ | |||
僕はあまり器用な人間じゃあないから | |||
想像をすることが出来ないんだ | |||
ただ | |||
愛したひとが泣いた | |||
愛してくれたひとが泣いていた | |||
指と指 触れてむつんで | |||
擦れあう度に | |||
水位が増している | |||
大空と遊び疲れてさ | |||
落ちては 声上げて | |||
弾けて 残るを仰ぐ | |||
何が言えようか | |||
こんな僕にいったい何が言えようか | |||
さよならをひとつひとつに 願いをさむ | |||
それぞれの夜漕ぎをへて 先に | |||
手のひらに在る 立ち並んで | |||
ゆらり のぼり雨 | |||
道行きのほどの灯りか 明け残り | |||
不安げな顔して | |||
さざ波の音にあわせて消えていく | |||
降り注ぐものと心通わせて | |||
ひとり傘 ひとり黙して ひとり旅 | |||
雨宿り | |||
そうか 僕は | |||
雨にもなれず | |||
風にもなれずに | |||
このまま消えていくのだろうな | |||
僕はおそらく | |||
そうやって消えていくのだろう | |||
でも それが僕なのだからしようがない | |||
僕は決して器用な人間ではないので | |||
それが良いことなのか 良くないことなのか | |||
まったく想像もつかないが | |||
ただ ひとつ言えることは | |||
それが僕なのだから しようがない ということだ | |||
ひとが変わることはないからだ | |||
ひとは決して変わらない | |||
変えること自体 馬鹿馬鹿しいように思う | |||
所詮 僕は僕でしかないからだ | |||
今日も雨がきつい日だ | |||
今日も風がきつい日だ | |||
今日も きつい日だ | |||
大空を泳ぎ疲れてさ | |||
泣きながら落ちてくるのだもの | |||
誰が何を言えようか | |||
愛したひとが泣いていた | |||
何も言わずに | |||
外は雨 | |||
愛してくれたひとが泣いていた | |||
今日も きっと 明日も雨 | |||
さよならはひとつひとつ 輪郭をなし | |||
それぞれ 確かに 大地となって | |||
手のひらの深みでくすぶる | |||
澱みを受け止める | |||
ささやかに光り 降り注ぐ素朴の | |||
思い詫ぶ逆波 | |||
大切なひと 大切なものがあり | |||
それぞれが水漬くことはない | |||
結果 そうであったとしても | |||
僕にとって | |||
それは耐えることの出来ないことである | |||
小さくなった寄る辺に | |||
黙して願いの人形の | |||
掲げてひとつ ひとつ | |||
もつれるように 逃げるように消える | |||
雲に結いつけて | |||
追いかけて 背中の音 たたみおく | |||
滑稽だろう | |||
でも | |||
そうすることで | |||
明日は | |||
明日こそは | |||
晴れそうな気がしてさ | |||
今日も雨 | |||
ずぶぬれ どろだらけ | |||
明日は晴れると良いな | |||
―前提として 追記― | |||
今日も雨 | |||
雨のち雨 | |||
ずぶぬれ のち どろだらけ | |||
ただ | |||
雨なのだから しようがない | |||
雨なのだから ずぶぬれ どろだらけ もしようがない | |||
こんなとき | |||
僕はあまり器用な人間ではないので 何も言えない | |||
僕はあまり器用な人間ではないので 何も出来ない | |||
ただ | |||
愛したひとを悲しませてはいけない | |||
愛してくれたひとを悲しませてはいけない</pre>}} | |||
==== Japanese (Unofficial) ==== | |||
{{hide text|<pre>そっとしまう | {{hide text|<pre>そっとしまう | ||
浅く 深追いの指 | 浅く 深追いの指 | ||
Line 101: | Line 323: | ||
見慣れた端の明かりの跳んで | 見慣れた端の明かりの跳んで | ||
あいそめあげ | |||
音響きもたてず崩れてしまう | 音響きもたてず崩れてしまう | ||
瓦礫の先には | 瓦礫の先には | ||
Line 122: | Line 344: | ||
ゆらり のぼり雨 | ゆらり のぼり雨 | ||
道行きのほどの灯りか ほたる飛ぶ | |||
不安げな顔して | 不安げな顔して | ||
さざ波の音にあわせて消えていく | さざ波の音にあわせて消えていく | ||
Line 128: | Line 350: | ||
雨宿り | 雨宿り | ||
そうか | |||
雨にもなれず | 雨にもなれず | ||
風にもなれずに | 風にもなれずに | ||
Line 138: | Line 360: | ||
愛したひとが泣いていた | 愛したひとが泣いていた | ||
泳ぎ疲れて 愛してくれたひとが傍で | |||
今日も 明日も雨 | 今日も 明日も雨 | ||
Line 153: | Line 374: | ||
それぞれが水漬くことはない | それぞれが水漬くことはない | ||
小さくなった寄る辺に | |||
黙して願いの人形の | 黙して願いの人形の | ||
掲げてひとつ ひとつ | 掲げてひとつ ひとつ |
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